2020/4/15
精神科医として、何とか新型コロナに感染しない対策はないかと考えています。
日々、診療をしていくうちに、「不安」というキーワードに気付きました。
新型コロナウイルスに感染するかもしれないという不安は当然であり、その不安に対して対処することは当然です。
感染対策として、マスク着用、手洗い、うがい、アルコール消毒、外出自粛、ソーシャルディスタンスなどは当たり前のことです。
これら、出来うる対策をしているにも関わらず、過剰な不安を持っている方が多々います。
当方は、この不適切な不安から脱却することも、感染予防の一つではないかと考えます。
理由は、自律神経です。
自律神経については、今までのコラムで詳しく説明していますが、新型コロナストレスに暴露されると、防衛的に交感神経が優位になり、そうなると、通常、副交感神経は抑制されます。
実は、この副交感神経の抑制が良くないのです。
副交感神経が優位になるとリンパ球が増えます。逆に、副交感神経が抑制されると、このリンパ球が減少して、ウイルスへの抵抗力を下げてしまいます。
必要以上に不安になることで、かえって免疫力を下げてしまい、感染しやすい体を作ってしまいます。
当医は「不安になるのが良くない」と言っているわけではありません。「適切な不安」になることを勧めています。
では、「適切な不安」って何?と思いますよね。
これは、コントロールできる対処をしていれば、それ以上不安にならない事です。
感染予防をしないことは論外です。
先ほど例にした、マスク着用、手洗い、うがい、アルコール消毒、外出自粛、ソーシャルディスタンスなど、自分でコントロール出来る対処をやっているのであれば、これ以上は出来ようがないと割り切ることです。
詳しくは、HPのコラム「ストレスに強くなるためには」の「3:「自分だけでコントロールできることと、自分だけではコントロール出来ないことにわけること」」を参照されてください。
適切な対処、防御を十分に行い、これ以上はコントロール出来ないと割り切り、不必要な不安・葛藤を避けることで、副交感神経のバランスを整える。
これこそが、精神科医が出来る、新型コロナウイルス感染予防法だと考えます。
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