2020/7/7
6月に入り、気象病のお悩みで、来院される方が増えてきました。(気象病の詳しい説明はこちらへ)
例年、この時期になると、気象病で来院される方が増えてきますが、今年は特に多くの方がお悩みになっています。
確かに、今年は例年と比べ、気圧の変動が激しく、そのために例年より症状が出やすくなっているのかと思っておりましたが、少し傾向が異なることが分かりました。
そのことなる傾向とは、「不眠」です。
昨年までは、気象病で来院される方に不眠を併発している方は殆どいませんでした。
しかし、なぜか今年は、気象病症状に加え、不眠でお悩みの方が、多くいらっしゃいます。
気象病の患者さんを多く診ている立場として、その理由は何かと考えました。
その答えは、「コロナ関連ストレス」ではないかと推測しました。
例年にはなく、今年から生じた変化として、「コロナ関連ストレス」が挙げられます。
では、なぜ「気象病」と「コロナ関連ストレス」が関係しているのでしょうか?
気象病は、気圧変動が大きいと、内耳にある気圧センサーがその気圧変動を感知し、自律神経(交感神経、副交感神経)が乱れる事が原因と考えられています。
同様に、コロナ関連ストレスに長期間暴露されると、自律神経が乱れ、交感神経の過剰反応(過覚醒)を起こします。
つまり、気象病もコロナ関連ストレスも「自律神経の乱れ」という共通の原因があるのです。
例年は、気圧変動で自律神経の乱れを起こすが、気象病発症までには至らない人たちが、今年は、コロナ関連ストレスが加わることで、さらに自律神経の乱れを生じ、気象病を発症してしまっているのではないかという結論に達しました。
治療も、例年の気象病であれば、漢方薬での治療で改善しますが、今年は、症状が残存している場合が多く、自律神経のバランスを整えるお薬を加えることで改善される患者さんが多いことも納得出来ます。
コロナ関連ストレスって、ホントしつこいですね。もはやストーカーレベルです。
しかし、恐れることなく、治療という武器を使って、一緒に立ち向かいましょう!!
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