不眠にだるさ、食欲低下…
夏バテと“夏うつ”の違いとは?
暑い、暑い、暑い。
こうも連日、うだるような暑さが続いていると夏バテや熱中症が心配ですよね。
しかし、注意したいのはそれだけではないのです。夏はうつ状態になるリスクが潜んでいます。
夏はうつになりやすい?
うつ状態のひとつに心因性というものがあります。
ストレス性とも言いますが、人はストレスを感じると防御反応として、交感神経が働きます。
通常、リラックスしていると交感神経が収まり、副交感神経が働くようになっています。
疲労困憊からうつ状態になることも
しかし、これが休んでいても交感神経が高まったまま“過覚醒”状態となってしまうと、頭がオーバーヒートしてしまい、心身の疲労困憊が起きて、疲弊に伴う、うつ状態になってしまうこともあります。
つまり、交感神経がある一定のバロメーターを振り切ったまま固定化され、元に戻らなくなってしまうと過覚醒状態になり、うつ状態を引き起こしてしまうのです。
実は、これと夏の暑さと過覚醒には関係があるのです。
夏の“暑さ”や“汗”もストレスなので、普段の生活よりも与えられるストレスが底上げされてしまっているのです。
皆さんも、炎天下の中、朝最寄りの駅まで歩くだけでぐったりストレスを感じますよね。
昨今の猛烈な紫外線などストレスそのものです。
また、暑いと思ったら、電車は寒い。このような、温度、環境の変化などもストレスとなり自律神経の乱れを誘発します。
つまり、普段からバロメーターが振り切れるギリギリのストレスを感じている人にとっては交感神経が上がりやすい状態がさらに加わり、過覚醒を起こしやすくなり、その結果、うつ状態になりやすい状態となってしまいます。
過覚醒の症状
過覚醒になると、以下のような症状が出てきます。
- 口が乾く
- 疲れが取れない
- 不眠、眠れない
- 食欲低下
- 肩こり
- 頭痛
- 吐き気 など
ただ、上記のような上場は夏バテや熱中症とも似ていますね。ではどう見分ければいいのでしょうか?
不眠の質に注目
それは、不眠の質の違いです。
過覚醒が起きていると、ずっと頭がリラックスできないような感じになってしまいます。
なので、不眠といっても夏バテの『疲れて眠れない』『寝苦しい』というのとは違い、覚醒しているから眠れなくなります。
当然寝付きが悪い入眠困難があります。また、寝ても交感神経が高まってセンサーがONの状態なので些細な物音等で起きてしまったり、熟睡できず朝から体がだるく感じます。
感覚がとても鋭くなる
また同じく、過覚醒で特徴的なのが感覚の“鋭敏化”です。
全ての感覚が異常に過敏になってしまうので、通常の痛みをものすごく大きく感じたり、疲れもひどく感じます。
それだけでなく、例えば、人混みが辛くなったり、人(上司や同僚、旦那さんや奥さん等)の表情や評価を全て鋭敏に感じてしまうので、今までストレスとして感じてこなかったことも気になるようになります。
そうなってしまうと、悪循環に陥ってしまう。些細なことにもストレスを感じるようになってしまい、その結果、脳が疲弊し、うつ状態になってしまいます。
特に動悸まで出てしまうと、明らかに過覚醒です。動悸は多くのうつの患者さんが訴える症状です。なので、放っておくとうつ状態になる危険が高いと思います。
過覚醒にならないために
では、過覚醒を防ぐためにはどうしたらいいのか。
とにかく休みましょう
とにかく交感神経の高ぶりが振り切れないように、休むことです。
遊びに行ったり、飲みに行ったり等、能動的な癒しは、元気な人なら効果ありますが、交感神経が高ぶっている人にとってはストレスになってしまうので、マッサージなどの受動的な癒しが大事です。
最後に、夏の心の健康状態チェックリストと、普段の生活の中でもできる、オススメのセルフケアを参考までに書いておきます。
これから迎える続く熱暑に、夏うつをこじらせないよう気を付けましょう。
夏の心の疲れチェックポイント
- 1:眠りが浅く、途中でおきてしまう。
- 2:いくら寝ても朝疲れが残っている。
- 3:口の渇きが著しい
- 4:食欲がなく、食べても胃がもたれる
- 5:日中激しい眠気に襲われる
- 6:微熱が続いている
- 7:些細なことでイライラ切れやすい
- 8:逆に、ひどく落ち込み気持ちが晴れない
- 9:胸が締め付けられている感じや胸がザワザワする
- 10:手足が非常にだるい
- 11:頻繁に眩暈がする
- 12:気圧の変化に体調が大きく左右されやすい
上記10項目中7つ以上だと要注意です。十分な休息をとるなどしましょう。
辛い場合には医療機関を受診することもお忘れなく。
夏のストレス・セルフケア
- 1.朝起きる時間を守り、起きたらすぐ日光を浴びる
- 2.アイスコーヒーや紅茶等で交感神経を上げるカフェインを摂りすぎない
- 3.仕事からプライベートに移行する際に自分なりの儀式を作る。(お気に入りのカフェに寄る、ジムでストレッチ等)
- 4.夕食は就寝3時間前、入浴、運動は就寝2時間前に済ます。
- 5.就寝1時間前はメール、仕事の電話をせず、寝る前にスマホは見ない。
- 6.夜10時以降は、悩み事があっても紙に書き出し、明朝、再度考える。
上記のようなポイントに気を付けて、なるべくストレスを溜め込まないような生活を送りましょう。
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