日比谷 有楽町の心療内科 精神科 パークサイド日比谷クリニック|日比谷駅A5番出口より徒歩1分、有楽町駅日比谷口より徒歩3分、銀座駅C1出口より徒歩3分

日比谷 有楽町の心療内科 精神科 パークサイド日比谷クリニック

日比谷 有楽町の心療内科 精神科 パークサイド日比谷クリニックの診療時間

日比谷駅A5番出口より徒歩1分、有楽町駅日比谷口より徒歩3分、銀座駅C1出口より徒歩3分

日比谷 有楽町の心療内科 精神科 パークサイド日比谷クリニックの電話番号03-6550-9050

日比谷 有楽町の心療内科 精神科 パークサイド日比谷クリニックの予約フォーム

健康な食事しか食べられない人たち~オルトレキシア

2020/5/7

ちょっと変わった摂食障害

日常、摂食障害を専門に診療していると、一般的な拒食症、過食症とは少し異なる患者さんを治療することがあります。

一般的な摂食障害は、体型や体重、カロリーに対する拘りが強くなり、また、自己像の障害(body imageの障害)を伴う、拒食症、過食症であります。

しかし、これら一般的な摂食障害とは異なり、「健康な食事(本人が考える)しか食べられなくなってしまう人たちもいるのです。

オルトレキシア

「オルトレキシア」です。
この言葉は、厳密にいえば正式な医学用語ではなく、症候群的な言葉です。

1997年にアメリカ人の医師、スティーブン・ブラットマンが提唱した症候群です。

これは、自分が健康的と思える食事以外を拒食する摂食障害です。

拒絶の例

例えば、「小麦を使っているものはダメ」、「添加物が入っているものは一切ダメ」、「防腐剤が入っているのは一切ダメ」、「動物性食品はダメ」、マニアックなものになると、「増粘剤が入っているものはダメ」などがあります。

逆に、「白米しか食べてはいけない」というパターンもあります。

あくまでも「自分が」健康的と思う食事です

ここで大切なことは、「自分が」健康的と思える食事であって、すべからく健康的という訳ではないということです。

健康的な食事であれば、良いじゃないかと一見思えますが、それが、過度になると、栄養バランスの偏りや、低体重になってしまったり、また、他人と一緒に食事に行けない、外食できないなど、本人の社会生活への支障もきたすようになります。

強迫性障害の傾向も

当医は、このオルトレキシアは、摂食障害のなかでも、強迫性障害の要素がかなり強い病態ではないかと考えます。

最初は、健康的な食事を選ぶことで、より健康になりたいというポジティブな思考から始まりますが、そのうち、「より健康的」とうい概念から「絶対的な健康」へとシフトしてしまい、all or nothing概念が強くなり、最後には、それ以外は「悪」であるという強迫観念に支配されていきます。

そして、次第に自分が健康的と思えるモノしか食べられなくなり、そのため、友人と食事に行けなくなり、また、会社での会食、付き合いにも参加できず、孤立してしまいます。

つまり、最初は自分にとって「得なこと」から、自分にとって「得でない事」に変わってしまいます。

自分でも、決め事をもう少し緩くして、もっと人と楽しみたい気持ちがあるにも関わらず、どうしても、その決め事が払しょくできず結果的に自分にとって好ましくない選択をしてしまいます。

ここまでくれば、立派な強迫性障害です。

強迫性障害とは、わかりやすく言えば、「わかっちゃいるけど、やめられない」という病理です。

食べるという行為が、自分でコントロールしているはずが、コントロール出来なくなっている状態です。

この状態では、心のレベル(そうしたいと自分で判断しているレベル)から、脳レベル(判断からコントロール感がなくなるレベル)になってしまっています。

恐らく、神経伝達物質のセロトニンの機能障害を起こしている可能性があります。

このレベルでは、医学的治療が必要なケースが多くなります。

もちろん、健康的な食事に拘ることは決して悪い事ではありません。

ただし、過度になりすぎて、自分の身体的健康や、社会的健康を脅かすものになるほど拘ることは、自分にとって得ではないですよね。

オルトレキシアが疑われる10つの特徴

参考まで、オルトレキシアが疑われる10つの特徴を記しておきます。

  • 1:一日のうち3時間以上の時間を、健康的な食事について考えてしまう(意識に上がってしまう)
  • 2:翌日の献立(自分の基準を満たす完璧な)を考えてしまう(意識に上がってしまう)
  • 3:食事がより健康的になるにつれ、生活の質が低下している(生活に不都合が出てくる)
  • 4:自分自身、自分の決め事に厳しすぎると感じる
  • 5:健康的な食事をすることで、自尊心が上がっていく
  • 6:健康的な食事をしていない人に対して見下してしまう
  • 7:(自分にとって)正しい食事を摂るために、大好きな食べ物を犠牲にする
  • 8:自分が決めた食事をすることで、家庭での食事に支障が出たり、家族や友人と距離が開いてしまっている
  • 9:普通の食事をしたら、罪悪感や自己嫌悪感を感じる
  • 10:食べる行為を、自分で完全には、コントロール出来ていない

気になった方は、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

※本掲載内容を許可なく転載することを禁じます

最新情報
「NHKジャーナル」にて「冬季うつ病」について解説いたしました
「ニュースzero」にて「冬季うつ病」について解説いたしました
「CREA」ベストフェムケア2024に院長の記事が掲載されました
院長コラム
桜と心の不調
産後うつ病
ストレスに強くなる、意外!?な方法(前編)
ストレスに強くなる、意外!?な方法(後編)
新型コロナ第2波に対しての心構え~SOCで乗り切ろう~
新型コロナ第2波に対しての心構え~SOCアプローチ実践~
新しい双極性障害の治療薬が登場しました
テレワーク後「会社に行くのが億劫な人たち」
感謝
テレワーク不安・不眠GW前後で、ストレスがどのように変化したか~葛藤対象の変化~
GW前後での変化~マズローの欲求5段階とは~
テレワーク不眠・不安と、マズローとの関係
テレワーク不眠・不安がテレワークうつへ移行
テレワークうつにならないためには
休校や自粛でストレスを抱える子どもたちのために
ADHD:薬物療法の意義
ADHD:薬物療法の種類
叱り方総論(パパ・ママ編)
叱り方別(ママ、女性編)
叱り方別(パパ、男性編)
自粛による昼夜逆転生活の防止
うつ状態と怠けの違い
健康な食事しか食べられない人たち~オルトレキシア
テレワークうつ
「テレワークうつ」にならない為には
テレワークうつ 医療機関受診の目安
新型コロナ関連ストレスが、心に及ぼす影響
新型コロナストレスと不眠
新型コロナストレスと抑うつ
新型コロナストレスと過食
コロナ過食を防ぐための8か条
新型コロナに感染しない為には(精神医学的アプローチ)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、どのくらいの期間生存するのか?
新型コロナ関連ストレス長期化することによって生じる問題
他の敏感な人たち~シゾイドパーソナリティ、発達障害~
新しいうつ病の治療薬が
登場しました!
HSPと過覚醒
HSPと適応障害・うつ病
敏感すぎて疲れてしまう人~HSP~
高照度光療法
ストレス対処方法概論
ストレス対処方法各論
ストレス対処方法各論
~問題対処外向型~
ストレス対処方法各論
~問題対処内向型~
熱中症と漢方
不眠にだるさ、食欲低下…
夏バテと“夏うつ”の違いとは?
年代別でみる心の病
パニック障害とパニック発作
ストレス性で心を病むとは?
ストレスに強くなるには
こころの病気の診断方法
こころの病気の治療
朝起きと健康の関係
朝起きられないが、夜元気な人たち~夜型人間~
早寝ノススメ
ストレスと過覚醒
五月病と過剰反応
うつ病と食事
気象病と寒暖差
抜毛症でお悩みの方へ、切なるお願い
適応障害とうつ病の違い(一般論)
適応障害とうつ病の違い(当方解釈)
適応障害とうつ病の違い(治療編)
抗うつ薬のやめ時
気象病(R4年春の傾向)
抜毛症になりやすい人
メニエール病と過覚醒
コロナ禍での五月病対策
運動でうつ病予防
睡眠と運動
SNS断ちでうつや不安が改善
コロナ後遺症と過覚醒
コロナ後遺症とブレインフォグ
ブレインフォグの原因
「ヘアロス」とは
敏感すぎて疲れる人へ~気疲れを和らげるコツ~
抜毛症と現在バイアス(Present bias)
コロナ後遺症なぜ長引く?~その①~
コロナ後遺症なぜ長引く?~その②~
抜毛症~髪は、なが~い、友達です~
気象病と眠気~2023年梅雨の傾向~
毛髪疾患サポートハンドブック
夏バテと漢方
不安(パニック)でMRIが受けられない
夏バテと睡眠負債
午前中眠くて仕方ない人へ有効な治療薬!?
ブレインフォグとセロトニン(新型コロナウィルス感染後遺症)
年末年始
抜毛症治療Q&A(2024年新春版)
悪夢に感謝?!
コロナ禍、心の健康を保つ秘訣~会話時間の大切さ~
睡眠の質と夢の関係
コンサルタントが病まない為には
冬季うつ病とは
うつ病と漢方
気象病2024年速報
パニック障害と漢方
不眠症と漢方
気象痛と漢方
夏バテと漢方
特殊な抜毛~眠っている時に間に髪を抜いてしまう~
病気のコラム
摂食障害
不眠症
食べないと眠れない症候群
夜間摂食症候群(NES)
寝ている間に食べてしまう
症候群
社交不安障害(SAD)
統合失調症
適応障害
抜毛症
依存症
ADHD(注意欠陥・多動症)
仮性認知症
更年期障害
更年期障害に伴ううつ状態
非定型うつ病
気象病
舌痛症
心身症
月経前症候群
慢性疲労症候群
うつ病
ディスチミア型うつ病
新型うつ病
仮面うつ病
冬季うつ病
強迫性障害
日比谷・有楽町の心療内科・精神科 パークサイド日比谷クリニックの情報がドクターズファイルでも掲載されています 日比谷・有楽町の心療内科・精神科 パークサイド日比谷クリニック院長による、心因性うつ病コラム

このページの先頭へ戻る